胞状奇胎とは

胞状奇胎とは誰にでも起こりうる異常妊娠の一つです。

以下、和歌山県立医大学産婦人科学教室HPより引用します。

正常な妊娠は精子と卵子が1つずつ出会って受精することにより成立し、胎児となり発育しますが、胞状奇胎はこの受精機構がうまくいかないことが原因となり発生します。

頻度は500-1000妊娠に1回程度で、とくに両親どちらかの先天的な遺伝子の異常と関連する病気ではなく、一般に健康なカップルから突発的に発生します。胞状奇胎の原因となるような受精の異常は頻繁におこるわけではないので、何度も反復することは極めてまれですが、40歳以上の高齢妊娠では頻度が上昇すると言われています。


胞状奇胎になると、胎盤の絨毛が、たくさんの小さな水が入ったつぶつぶのように変化するため、昔は『ぶどう子』と呼ばれました。これらを遺伝子学的に調べると、卵子の核が欠損した空の卵に精子のみが入ってできた、すなわち全ての遺伝子が精子(父親)由来である全胞状奇胎と、1つの卵子と2つの精子が受精した3倍体である部分胞状奇胎に分類できます。どちらも正常な胎児の発育はできません。

治療は流産と同様の子宮内容除去手術(胞状奇胎除去術)を施行し、子宮内容物の病理検査により最終的に確定診断します。約1週間後に、もう一度子宮内容除去手術をおこない、胞状奇胎が完全に除去されているかを確認します。妊娠週数が進むほど、胞状奇胎の子宮内容物が多くなって、手術の際に出血のリスクがふえるなど負担になりますので、胞状奇胎と診断されたら、早めに手術を受けられた方がよいでしょう。

全胞状奇胎の10~20%部分胞状奇胎の0.5~4%の患者さんは、胞状奇胎の後に侵入奇胎という病気へと進行します。また全胞状奇胎の1~2%はさらに悪性の絨毛がんへと進展するといわれています。これらの病気が胞状奇胎後に発生した場合は、抗がん剤を中心とした治療が必要になるため、胞状奇胎の患者さんにとって重要なことは、手術後の定期通院をしっかり行って、これらの病気の発生がないかどうか、担当医にチェックしてもらうことです。


手術後に全胞状奇胎または部分胞状奇胎と診断されたら、必ず外来に通院し、血液中のhCG値(妊娠性のホルモン)を定期的に検査してもらいましょう。最初の3ヶ月ぐらいは1~2週間毎に血液中のhCG値を測定します。経過が順調であればhCG値は3~4ヶ月以内に(遅くとも6ヶ月以内に)正常値に下降します。hCGの下降が不良であれば、侵入奇胎を疑って超音波検査やMRI、CTなどの検査を行います。hCGが正常値に到達後も、1ヶ月に1回程度の血中hCG値の測定を継続し、6ヶ月間正常値が続けば、次回妊娠を許可されます。その後も約4年間は3~4ヶ月に1回程度のhCGの通院検査を続けることが望ましいです(途中に妊娠・分娩があれば、分娩後に定期通院を再開します)。hCGが正常値になった後に再上昇する場合(新たな妊娠を除いて)は絨毛がんを疑い、画像検査による病巣の精査を行います。

アメブロへ


タイトルとURLをコピーしました